長崎県五島市
五島市では、「しまの豊かさを創造する海洋都市」を将来像に、平成18年(2006年)3月に「五島市総合計画」を策定しました。また、平成19年(2007年)3月には補完する水産分野の個別計画として、「五島市水産業振興基本計画」を策定し、このなかで、多様な養殖業の展開を図るためにクロマグロをはじめとした高級魚の養殖を推進します。
平成20年度(2008年度)から、マグロ養殖を振興するため、漁業協同組合や行政機関で組織する「五島市マグロ養殖基地化推進会議」を開催しています
アクセス方法
五島市は九州の最西端に位置し、長崎港の西方海上約100kmの五島列島南西部にあります。五島福江空港と長崎空港間を日に3便(30分)、福岡空港間を日に4便(40分)で結ばれています。夏期には、関西空港間を日に1便が就航しています。
福江港と長崎港の間を日に4便(多客期には5〜6便、85分または110分)のジェットフォイルが就航しています。
福江港と長崎港間を日に5便、博多港との間を日に1便のフェリーが就航しています。さらに、新長崎漁港との間を1便のフェリーも就航しています。この他に福江島と奈留島、久賀島、椛島等を結ぶ航路も開設されています。
人口、地理など
五島市の人口は平成20年度末(2008年度末)で43,163人、うち65歳以上の高齢者が32%を占めています。
海岸は、東シナ海の荒波と対馬暖流の影響を受け、湾入屈曲に富み、至るところに良港がみられ、海岸線の総延長は長崎県の12.9%の540kmに及んでいます。
福江島、奈留島、久賀島、椛島、黄島、赤島、蕨小島、黒島、島山島、嵯峨島及び前島の11の有人島と52の無人島で構成されています。また、東シナ海に浮かぶ絶海の男女群島及び「国境の島」である鳥島を有します。
水産業の現状
水産業をとりまく環境が一層厳しさを増すなか、五島市は離島という流通面のハンディがある反面、黒潮本流から分岐して北上する対馬暖流と沿岸流との影響を強くうけ、魚類の回遊が多く、「しま」全体が漁場に囲まれているという優位性をあわせ持っています
平成20年(2008年)の漁業就業者数は1,482人で、この5年間で302人(17%)、10年間では857人(37%)減少するとともに漁業者の高齢化が一段と進行しています。
平成20年(2008年)の漁業経営体数は860経営体で、この5年間で77経営体(8%)、10年間では293経営体(25%)減少しています。海面養殖業では、5年前の44経営体から30経営体に減少しています。
漁業生産量は、マイワシ資源に支えられ、昭和57年(1982年)には8万6千トンまで増加し、その後10年間程は高水準を維持してきましたが、平成4年(1992年)頃を境としてマイワシが獲れなくなり、平成20年(2008年)には約2万トンと最盛期の2割程度にまで減少しています。
漁業生産額は昭和60(1962年)に172億円まで増加しましたが、生産量と同様、平成4年(1992年)以降に減少傾向となり、魚価の低迷や魚類養殖の不振等により平成14年(2002年)には100億円を割り込み、平成19年(2007年)には76億円となりました。
海面養殖業
海面養殖業の平成19年(2007年)の生産量は1,794トン、生産額は21億円で、10年前と比べると、生産量で3,018トン(68%)、生産額で46億円(67%)減少しています。
また、平成19年(2007年)の海面養殖生産量のうち、最も多いのはマダイ養殖の930トン(52%)、次いでブリ類養殖の399トン(22%)、クロマグロ養殖を含むその他の魚類養殖の346トン(19%)となっています。
マグロ養殖
五島周辺海域は、クロマグロ養殖を行ううえで重要な要素である種苗の確保が可能であることに加えて、恵まれた養殖環境が備わっています。
五島市内では7月下旬から9月上旬に曳き縄で漁獲した200gから500g程度の幼魚(ヨコワ)を養殖用種苗として確保できる優位性があります。年により異なる回遊経路の探索技術と熟練した漁労技術をもつヨコワ採捕に従事する多数の漁業者がいます。
市内では福江島の北東部にある樫の浦地区を中心に地域外資本の2社が漁協の組合員となって養殖を行なっています。このうちA社は平成8年(1996年)から、B社は平成20年から養殖を開始しました。さらに、平成22年9月に福江島の北西部に2社が参入しました。
平成20年の生産量は約200トンですが、B社の出荷が始まる平成22年(2010年)以降は養殖漁場の拡大とあいまって大幅に増加する見込みとなっています。
マグロフェアの開催
年3回、市内飲食店でマグロ料理を市民や観光客の皆様に食べていただく機会を設けています。
この写真はマグロフェアの際に市内の飲食店で提供された期間限定のマグロ料理です。
上段左から、マグロステーキ(望月)、まぐろの五目あんかけ(名宝園)、まぐろの五目あんかけ(明宝園)
中段左から、あぶりまぐろ千草巻カルパッチョ仕立(幸亭)、まぐろのレアカツタルタルソースレモン風味(幸亭)、マグロの大トロにぎりとネギトロ巻(やぐら寿し)
下段左から、大トロのあぶりにぎり(か乃う)、ねぎマグロ鍋(四季の味・奴)、まぐろ照焼丼(四季の味・奴)
地域の漁協紹介
五島ふくえ漁協
五島漁協
奈留町漁協
参入をご検討される方々向け情報
養殖業に参入をご検討する方々向けに市内の全漁協に共通する情報をこのページで提供します。
区画漁業権
五島市の区画漁業権に関する地図は、海上保安庁の沿岸海域環境保全情報をご覧ください。
区画漁業権の行使状況は、長崎県におけるマグロ養殖についてをご覧ください。